Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~


「食べたかったら食べろよ。
まだ時間大丈夫だから」



ランチに付いてきた、小さなチーズケーキ。
俺は、まだあまり甘いものを食べないから、
春に皿ごとやる。



ありがとうって目で見る。



こいつ、こういうときの方が、嬉しそう。
頼むから、今度キスしたら、そういう顔してくれ。



「一口いる?」



甘いものはいらないけど、
今日は断らないで、
春からフォークを取り上げて、自分の口に運ぶ。



自分が食べた後のフォークで、
またケーキを1切れすくって、
春に直接食べさせようと、

フォークを近づけ、ゆっくり唇を開けさせる。


お預け食らわせた振りして、
春妃の形のいい唇を目で味わう。





「美味しい」


こいつは、全然俺のこと気にないで、
俺のエロい妄想の餌食になっている。


無防備すぎだろ。バカ!


今のところは、それでもまあ、いい。





「食事おごってやるから、荷物半分もてよ」



「あっ、いいよ。いいけど、重いね、これ」




「パソコン入ってるから、落とすなよ」


「大丈夫。力だけはあるから」
春は、落としたらいけないと、抱えてもつ。




駅について、改札口で別れようとする、
春を引き留めた。



「おごってやっただろ?まだ時間あるし」


「わかった。ホームまでだよ」


「ああ」


新幹線のホームまで来て、電車を待つ。
幸い席を取ってないから、
自由席に乗るといってホームの端に来た。

< 44 / 321 >

この作品をシェア

pagetop