Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「ちょっと何?何か変、私」


高城君は、講義の間教壇の先生の方は見ず、
授業中ずっと私の方に顔を向けている。


「何でそんなに必死なの?」


何を言い出すのかと思えば、そんなこと?


「逆に聞くけど、あなたは、
何でそんなにやる気がないの?
あん、もう、聞き逃した。静かにしてて」


「くすっ」と笑う声、高城君は、前を向いた。


講義が終わって、高城君が、
私の手元のところを覗いてきた。


「汚い字。何書いてんのか、わかんないな」


「えっ?ノート何なんて、
自分で理解できればそれでいいのよ」


私は、荷物をまとめて、
学食へ行こうと立ち上がった。


「ちょっと待ってよ。質問に答えてよ」

高城君は、私の腕をつかんだ。



「質問?」


「何でそんなに必死なの?」


「別に、好きなようにやってるだけ」


「ヘェ、君はこういうのが好きなんだ」


「何が聞きたいのかよくわからないけど、
もういいかな?下行くから…」


「最後の講義には、出ないの?」


「ええ。私、
仕事いかなきゃいけないから、出られないの」


「どうして?」


「そうしないと、
生活が成り立たないからよ」
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