Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
波乱



朝ベッドで心地よく、
浅い眠りの中にいると、
いきなりナオの残像に起こされた。


「うわっ!?」


びっくりした…

これまでも、ナオは、
私の夢の中に時々現れたけど、
どれもぼんやりした、
影のようなものだった。



その影は、意思を持っていて、
気まぐれに私の事を抱きしめてきた。


抱きしめられだ時の、彼の腕の感覚、
ふわっと包まれた彼の匂い、
力強いうでの感触…


何度も、何度も、
角度を変えてキスされた唇の柔らかさ、




これまで、ナオがすぐ横にいて、
抱きしめられている感覚に
陥ったことはなかった。



そんなわけないじゃない…



ナオが、こんなところに、
居るわけがないじゃないの。



落ち着いて…


私は、いてもたってもいられず、
ベッドから飛び起きた。



「どうしたっていうの…信じられない」
体全体に、うっすら汗が滲んでいる。

とりあえず、
熱いシャワーを浴びよう。



体に残っているナオの残像を、取り払わなければ。



けど、どれも長い間、渇望し、求め、
夢にまで見てきた感覚を、
体の方が忘れようとしない。

どうしよう…

経験してなければ、
夢に見るなんて事ないのに。



こんなの、すぐにナオに見破られる。

ナオを見ても、
ナオに触れても、何でもない振りを
しなければならないのに。


1日のほとんどを、
ナオの事考えてると知られたら、

ナオに対して私は、どうすることも出来ない。

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