Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
家に帰って来て、夕食を作るために
冷蔵庫の中を
あさっていた時だった。


携帯が震えた。


私は、キャベツを抱えながら、
あまり、深く考えずに出る。


ー春ちゃん?


「ええっ? 久俊さん?」


ゴーゴーという、
雑音がひどくて、音が聞き取りにくい。


久俊さんは、
会社のプロジェクトが立ち上がって
2年の約束で名古屋に行っている。




「そっちは?もう、暑くなった?」と私。


「今日は、そうでもないよ。
何しろ今、新幹線のなかだからね」


「えっ?こっちに向かってるの?」


「ああ、そうだよ」


「えっ?今どこよ!」


「多分、新横浜駅まであと30分。
直接そっちに行くから。
今日は泊めてくれる?」


「ちょっと待って…キャベツどうしよう
…ええっ?」



どうしよう…

後、30分? 1時間? ええーっ!!



「春ちゃん、キャベツがどうかしたの?
急だったからね。
とりあえず、そっちへ行っていい?」
可愛いなと言って、
久俊さんの笑う声が聞こえてくる。


「はい…」


あと、一時間もすれば、久俊さんが
こっちに来る?

何があったの?

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