Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
それまでも、
心のどこかでナオのことを思いながら、
ちゃんと人並みに、
恋人も作って年齢なりの経験は積んできた。


職場の先輩と付き合って、
将来のことを現実として受け止める。
夢ではなくて。


私は、いつもそこで躓いた。



理由は分かっていた。



結婚して、家庭を持ったら、
これまでどおり、
ナオに会いに行くのは無理だろう。


それ以上に、ナオへの気持ちを抱えたまま、
誰かとともに生活するなんて、
そんな芸当が私にできるとは思えない。



私がずっと隠してきた感情を、
見抜いたのも久俊さんだった。


「ずっと思ってるだけだから、
いいだろうって、君は思ってるだろう?


でもそれは、俺にしてみれば、
君が、他の男のことを思って
考えてる時間、
そいつといるのと一緒だろう?

そんなのは、ダメだから」



「思ってるだけ。心の中は自由のはずだわ」

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