Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「逆に考えてごらん、
春ちゃんはどう思う?
俺がコーヒー飲みながら、
ため息つくたびに、別の女のこと、
思ってるんじゃないかって疑いたい?」
「私、そんなことしてた?
ごめんなさい。
でも、変えるなんて無理です…
すべて無くしてしまうなんて」
「ちゃんと振られて来いよ。
そうしないと、ずっと抜け殻を抱えたまま、
亡霊みたいになるぞ」
久俊さんは、優しく頭を撫でてくれる。
「振られたら…
会えなくなるじゃない。
そんな風になってしまうなら、
亡霊になってもいい」
私は、身震いした。
そばに居られないのは、いい。
けど、ナオのこと考えずに居るのは、無理だ。
頭を撫でてくれた手が、
今度は、私の手を握って励ましてくれる。
「なくなるわけじゃない。
それに、どんなに粉々になっても、
骨くらい俺が拾ってやる」
「嫌だ。絶対に。何も求めないから。
隅っこにいるだけだから。
このままでいさせて」
久俊さんは、残念だけど、
っていう風に首を振る。
「隅っこじゃないだろ?
君の心の多くの部分を、
高城が占めてるだろう?
それじゃ、ダメなんだ。
悪いことばかりじゃないよ。
そいつも春ちゃんのこと、
好きだって言うかもしれないじゃないか」
「ないよ。そんなの。万に一つも」