Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
こんなにしてくれる人の、
申し出を断るなんて。

どうかしてたんだな、私。


そう思いながら、久俊さんの顔を見る。

彼は、一緒にいたときの癖で、
私の体に、見たことのない傷とか、アザとか、気になる所があると、
指を伸ばして、すぐに確かめたくなる。


彼は、目の下に指を当て、
心配そうに覗きこむ。

「大丈夫か?
全然、眠れなかったって顔してる」


「うん」


「春ちゃんはどんな風にしたい?」



そういわれると、真っ白になる。

久俊さんがそうしたいなら、
と言う理由じゃ納得してくれない。



行きたい方向にいけないなら、
この場に留まっていたい。
私の願いはただそれだけ。


でも、それだとダメになるという、
久俊さんの言ってることは、
私にだってちゃんとわかる。


「あの…
いきなり家を買うのは、どうかと思うので、久俊さんが帰って来たら、
一緒に暮らすことから始めれば」



「ふーん。やっぱり、
そんなことじゃつられないか。
まあ、いいや。
それじゃ、2年が過ぎたら。
君のタイムリミットだね」


「久俊さん」


「俺はすぐにでも。決めたいよ。
実際に部屋を決めるのだって、
時間がかかるし。
でも、焦りすぎも良くないか」


「焦る?どうして」


「気が気じゃなかったよ。
高城と、付き合うことになったって、
連絡きたらどうしようって」


「それは、無いよ」私は、笑った。

「あいつが、そういったの?」


「いいえ」

「じゃ、ちゃんと振られて来い」


「それは、もういいから」


「良くないだろ?
心のどこかに、まだ期待してるだろ?」


「そうしなきゃダメ?」

「ああ、多分、
君を手に入れるには、
その方法しかない」
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