Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~



―もしもし?ナオなの?


「ああ、まだ起きてた?」


―うん。もう寝るところだけど。


「今、話してて大丈夫か?」


―ちょっと待って

電話が置かれる気配がして、春がいなくなる。


誰かいるのか?1人じゃない?
そんな、違うよな?
ちょっと待て!


「おい!!」
無意味に声を発してみる。



―ナオ?ごめん。
髪がぬれてたから、タオルとって来た


なんだ、そうか…

「うん」


本当に1人で寝るのかと、
しつこく聞こうとする気持ちを抑える。
あいつ帰ったのか?


「電話してくれただろ?なんかあった?」



―大丈夫。気にしないで。


「大丈夫じゃないだろ?
わざわざかけてくるなんて、
珍しいじゃないか」

―実は、週末ね…
やっぱり止めとく。
直接話さないと伝わらないし。

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