Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
朝から、うるさい。
携帯の着信音が、部屋に響いた。
結局、春のこと、
うだうだ考えて寝るのが遅くなったから、正直まだ眠い。
もう、しつこい!!
仕方なく電話に出る。
―高城さん?メール見た?
時間を見たら、
まだ、早い時間に起こされた。
「誰?」不機嫌な声で返す。
―メールの送り主
「メールも拒否するぞ」
―そんなことするから、
家の電話からかけてるんじゃないの
「かけてくれなんて、頼んでない」
―いいのかな?
貴重な協力者にそんな態度を取って
「協力者?何を協力してくれるんだ」
―ナオさん、恩田先輩のこと好きなんでしょ?
協力してあげるって言ってるの
「協力?悪いけど、そんなものいらないから」
―情報欲しくないの?
「そりゃ欲しいけど、そういう奴って、
何か見返りが欲しいだけだろ?」
―まあ、間違いじゃないけど。
でも、あったほうがいと思うな。
因みに、彼、
前野さんっていうんどけど、
春妃さんに会いに来たわよ。
「それがどうかしたか?」
―なあんだあ…
それほどショックじゃないんだ。
「話は、それだけか?」
―帰って来るのよ、彼。
もうすぐ。写真見たでしょ?
いい雰囲気だった。
社内でも、自分が春妃さんの相手だって、
印象づけてるのよ。
前野係長はね、
ナオさんほどかっこよくないけど、すごく大人なの。
穏やかで、包容力があって…
「そうかい、そりゃ、貴重な情報だな」
―ちょっと、待ってったら!
へたれてないで、しっかりしてよ!
春妃さんが、彼とくっついて欲しくないの!!
「やっと目的を言ったか…」
―もう、だからナオさんに協力するって、
言ってるじゃないの!!
「わかった、これからは、
ちゃんと返事するよ」