Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
「えっ?最近なんだっけ?」
物思いにふけっていて、
ナオの話をちゃんと聞いていなかった。


私は、さっきナオが言いかけてやめた、
言葉尻をとらえて聞き直した。


「最近?…別に、何でもないよ」

この男、言いにくいことは、
一度に言わないくせに、

無視されるのも、気に入らない。

だから後で、忘れずに聞き返さなきゃ。


「ふ~ん。いいたくないってこと?」


「そういうわけじゃないけど。
つまんないことだから、
わざわざ口にすることもないか、
と思っただけ」


「仕事のこと?」



「違う」


じゃあ、プライベートじゃん。



「やっぱり、いいよ、言わなくて」

いつも私だって、仏の心を持って、
接することが出来るわけではないのだ。

疲れてるし。

「どうして?」


「誰かを好きになった話とか、
気になるって言う話しでしょ?
そうだったら、そんなの聞きたくない」

だいたい、経験豊富なあなたが、
片手以下の付き合いしかない私に
聞くのは筋違いでしょ。


何しろ、
今のデートの回数を数えるレートは
1対30くらいなんだし。


< 8 / 321 >

この作品をシェア

pagetop