Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
春妃には、
すべて見せてもいいと思ってた。
気心の知れた、同士。
気心の知れた友人。
腹の中をさらけ出して、本音で語れる仲間。
俺が努力したことを評価してくれる、公平な人。
祖父との関係を冷静に分析してくれる人。
学生時代の俺は、春妃に頼りきっていた。
学生時代には、自分に自信がなくて。
今、現在は…
ただ、君が恋しくて。
まさか、付き合いたい、
と思うことがあるなんて思ってなかった。
そうじゃなきゃ、
あれだけのこと言って、
あれだけ好き勝手なんかしたりしない。
それでも、変わらず好きでいてくれてる
なんて、どうして思ったんだろう。
春妃を呼び出して、
彼女がくるまで時間を潰して、
彼女が来たら、春妃だけ、
置いて帰ったことあったし。
最低なやつだった。
好きな子ができたって、
さんざん相談するみたいに、
好き勝手話してたし。
そんな勝手やつ、
今さら何だと思うよなあ。
普通。
あの頃は、見かけだとか、ノリで選んで、
自分には、どんな相手が必要かなんて、
考えたことがなかった。
下らない、絵空事ばかり語るのに
一生懸命で、
親身に俺のことわかってくれてた、
春妃には、なんの注意も払わなかった。
俺とは、恋愛したくない…か
まあ、そうだろうな。
あれだけ、ひどい扱いすれば。
俺…
写真見て、ショックを受けたよ。
ちょっと、じゃなかった。
春妃は、もう気持ちを決めていて、
俺の入る余地なんてないじゃないか?
春妃が相手のこと信頼して、
笑いかけてる姿。
俺は、見たことがない。
俺には、あんな風に
笑いかけてくれたことがないから。