Longing Love ~あなたに恋して、憧れて ~
朱音は、
たくさんある店のうちの1つに入る。
どれも高級で、
学生が気軽に入れる店ではない。
店員とは、顔馴染みで、
堀田の顔を見ると、
ベテランの店員がすぐに寄って来た。
「いらっしゃい。夏物もう入って来たわよ。
朱音さん用に取って置いたから、
好きなの選んで」
次々に洋服が出されて、朱音は、
その中から余り考えずに、何点か選んだ。
朱音が、振り返って春ちゃんを呼ぶ。
「春ちゃん?春ちゃんいる?」
言われた店員が、
一斉に春ちゃんと呼ばれる
女の子を探しだした。
春ちゃんは、店の中におらず、
捜索は、店の外まで及んだ。
そう言えば、
さっき、外に出ていったっけ…
トイレにでも行くのかと思った。
気にも止めなかったけど。
俺は、何やってるんだろうと思いながら、春ちゃんを探す手伝いを始めた。
店の外をのぞくと、
春ちゃんは、店の外の壁にもたれて
本を読んでいた。