雨粒ひとつ~メガネをかけた女の子の恋の話
雨の日の再会
雨の日はキライ。
アイツのことを思い出すから。
最悪な中学校の卒業式は雨が降っていたーー
もうすぐ夏休みに入る7月のある日の午後、
私は女子校前のバス停に立っていた。
(……最悪、タイヤがパンクするなんて……)
そう心の中でつぶやきながら、少し鼻からズレたメガネを右手であげた。
高校に入学してから約4ヶ月。
私は毎日、自転車で通学している。
バス通学の方がはるかに早いのは分かってる。
でも、自転車での通学に私はこだわった。
それは、アイツに会いたくないため。
できるだけ、アイツに会わないように4ヶ月過ごしてきた。