雨粒ひとつ~メガネをかけた女の子の恋の話
ーー良太、前よりカッコ良くなってるかも!!??ーー
ドキドキしている私に、良太はイヤな思い出を思い出させる。
「あー、千夏、、、江上って覚えてる?」
もちろん、覚えてる。
私の失恋の引き金だ……
あの寝込んでいた時、会えないって言ったら、電話で告白された。
私は、江上くんのことを考える余裕もなく、気持ちを断った。
他に好きな人がいるからって…
「覚えてるよー。同じクラスだったもん。」
「…アイツから告白されただろ!?それで、断ったって聞いてさ…」
「・・・・」
「お前、他に好きなやつがいるって言ったみたいだけど、誰だよ…」
ーー!!!!!!ーー
「だっ、誰だっていいじゃない!!良太に関係ないでしょ!!」
「まー、そうなんだけどさ…。でも、あの頃、お前に好きなやつなんて、全然わかんなくて、ホントにいたのかなーって…」
良太は気づいてないんだ…
そうだよね…
野球ばっかだもんね…
「…いたよ。好きな人。。。」
「!!…そうなんだ…。マジで気がつかなかったよ…」
「・・・・」
なんか、良太…慌ててる?
「あー、そうだ!お前、なんでメガネなんだよ!最初、バスに乗ってきたとき、分かんなかっただろ!」
「・・・・」
「バス停で降りた時も横顔で、似てるやつだなーって思ってずっと見てたら、コンビニのとこでメガネとって…。
千夏だーって、もうびっくりして慌てて追いかけたんだぞ!!」
そうだ!
良太は小さい時から目は良かったんだ…