雨粒ひとつ~メガネをかけた女の子の恋の話
「…えっ!?…、よく分からないけど……?」
「…江上の気持ちを優先させたくて、俺がガマンすればいいと思ってた…。でも、千夏がその…、俺のことを…なんて、全然わかんなくて、、
千夏を傷つけてたなんて、、、ホントごめん!…」
「良太……」
そうだ…、そうだった…
良太は昔っから、友達思いのやつだった…
小学校の時イタズラして、先生に怒られてる友達をかばって、やってないのに、
自分が先にやりました!って、言い出しちゃうやつだった…
「ぷっ……」
「なん…だよ……、なに笑ってるんだよ…!」
良太が少し困ったような、照れてるような表情をしてる。
「ちょっと、昔を思い出しちゃっただけ…」
「……ったく!……、いきなり笑い出すからびっくりしただろう!」
私は雨を見上げながら良太に聞いてみた。
「ねー良太、、、今は私のこと好きじゃないのかな??」
「……!!!……」
良太がまた、びっくりしてる。
「まだ、江上くんに遠慮するの??」
私はイタズラっぽく、良太を見つめる。
「…そんなこと、もうしねーよ!江上も、彼女できたし…」
「そうなんだ…」
私は良太の言葉を待つ。
雨の音だけが2人の間に流れてるーー
「千夏……」
ーートクン!ーー
胸の音が良太に聞こえそう…
私は、隣に立っている良太の顔をゆっくりと見上げる。
「……俺と、、付き合ってくれないかな……」
「……うん。」
雨の音に2人のドキドキが重なったーー