キミのダレ
悪役への第一歩。
「そうだ!放課後食べに行かない?」
「良いね、私他の人も誘ってみる!」

未来さんの周りはいつも、女子が集っている。
男子にも女子にも人気がある。
背は私よりやや高め。
髪はいつもサイドテール。
染めているので、光に反射すると眩しい。
普通に見るだけでも、雰囲気にやられそうだ。

「久留宮さん!ドーナツ好き?」

そんな未来さん直々に招待された。

「…ホームルーム。」
「大丈夫!他の人も話してるし!」

可愛い笑顔は私と違って天然そのもの。
蕾浮とお似合いかもしれない。
いや、お似合いなんだよ。

「構わないけれど…お金無いよ。」
「大丈夫!10人以上はチケット1枚で食べ放題だから!」

そう言ってチケットを目の前に出してくる未来さん。
私が見ても可愛いと思ってしまうほどの、満面の笑み。

「…男子、誘っても良いかな。」
「ん?大丈夫だよ!見かけによらず、男友達居るんだね!」

いや、男友達しかいないよ。
だから、未来さんが羨ましい。
蕾浮を幸せに出来る、未来さんが。

「佐々木さん!話聞いてるの?」
「すみませーん!聞いてません!」

誰でも笑顔に出来るから、私とは違う。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop