キミのダレ
結局行く事にした。
蕾浮と未来さんを出会わせるきっかけになるから。

「それでさ、言い返したらさー!」
「束縛激しいのはちょっとねー。」

相変わらず未来さんの周りは恵まれている。
行間も授業中も…もちろん昼休みや放課後だって。
未来さんには薔薇色に見えるんだろうな。
蕾浮だけじゃない、他の男子も一度は未来さんに恋をする。
私は誰一人恋に落とす事はない。
だから、相手をがっかりさせる事もない訳で。

「あ、久留宮さんは彼氏とか居るの?」
「ちょ、よしなよ…」
「いいじゃん!ねぇっ!」
「え……?」

居る訳ないと知ってか聞いてくる未来さん。
無邪気なだけだ、そう思い込んだ。
そして、謎の対抗心のせいで嘘をつくハメになった。

「い…居る。」
「だよねだよね!!前髪上げたら可愛いもんっ!」
「そうでもないよ…。」

私は罪悪感たっぷりのまま髪を上げた。

「かっ…可愛い〜!ねっ?」
「う、うん…。」

未来さんは優しいから可愛いと言ってくれた。
周りの人はあまりのぶす加減に驚いて引いている。

「久留宮さ…空ちゃん!」
「は…はいっ…?」
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