ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「っ!」
壁に叩きつけられる瞬間、守られるように抱きしめられた。
「和己!」
後ろを振り向くと、自分と壁の間に苦痛に歪んだ顔の和己がいて、慌てて体を離した。和己は辛そうに目をつぶり、肩を押さえるようにしてその場に崩おれる。
胸が激しく鼓動する。それは耳の鼓膜を叩くように暴れだし、頭に血が上って痛いぐらいだった。
もうひとみではなくなったそれを睨みつけた。
「許せない……!」
「はっ! もろい人間ごとき、恐くもないわ」
フラつく足取りながらも、それを睨みつけたまましっかり地に足をつけ、立ち上がる。
「これで最後だ……? うっああ……」
第二の攻撃のために、再び明美に手をかざしていたそれが突然苦しみ出した。
「そんなばかな!」
驚いたように目は見開き胸を押さえ、立っていられないのか、操り手を失った人形のようにがくりと膝をついた。
「う……あ、明美、ちゃん、明美ちゃん……!」
やわらかな呼び声にはっとした。
「ひとみ……? ひとみなの!?」
苦しみに喘ぎながらもこちらを見ている瞳は、暖かく慈愛に満ちている。周りを包む空気さえも彼女らしいやわらかなものに変わった。紛れもない、ひとみだ。
「聖ちゃんに、アレを……! きっと、きっと大丈夫だからっ……!」
アレ?
はっとしてスカートのポケットを上から握り締めた。
聖水!
ひとみに頷いてみせ、すぐに行動に移る。
いまや肌の色を失い、唇を紫色に染めた聖に駆け寄った。そばに座り込み、冷たくなった聖の頭を膝の上にそっと乗せる。取り出した小さな聖水の瓶の蓋を開け、
「聖、聖」
名前を呼びながら軽く頬を叩く。
「う……うう」
うっすらと目を開け反応を示したのを確認すると、聖にも見えるように目の前に聖水の瓶をかざした。
「これを飲むんだよ!」
「……?」
「とにかく口を大きく開ける!」
顎に手をかけて、口を開けるのを手伝った。
壁に叩きつけられる瞬間、守られるように抱きしめられた。
「和己!」
後ろを振り向くと、自分と壁の間に苦痛に歪んだ顔の和己がいて、慌てて体を離した。和己は辛そうに目をつぶり、肩を押さえるようにしてその場に崩おれる。
胸が激しく鼓動する。それは耳の鼓膜を叩くように暴れだし、頭に血が上って痛いぐらいだった。
もうひとみではなくなったそれを睨みつけた。
「許せない……!」
「はっ! もろい人間ごとき、恐くもないわ」
フラつく足取りながらも、それを睨みつけたまましっかり地に足をつけ、立ち上がる。
「これで最後だ……? うっああ……」
第二の攻撃のために、再び明美に手をかざしていたそれが突然苦しみ出した。
「そんなばかな!」
驚いたように目は見開き胸を押さえ、立っていられないのか、操り手を失った人形のようにがくりと膝をついた。
「う……あ、明美、ちゃん、明美ちゃん……!」
やわらかな呼び声にはっとした。
「ひとみ……? ひとみなの!?」
苦しみに喘ぎながらもこちらを見ている瞳は、暖かく慈愛に満ちている。周りを包む空気さえも彼女らしいやわらかなものに変わった。紛れもない、ひとみだ。
「聖ちゃんに、アレを……! きっと、きっと大丈夫だからっ……!」
アレ?
はっとしてスカートのポケットを上から握り締めた。
聖水!
ひとみに頷いてみせ、すぐに行動に移る。
いまや肌の色を失い、唇を紫色に染めた聖に駆け寄った。そばに座り込み、冷たくなった聖の頭を膝の上にそっと乗せる。取り出した小さな聖水の瓶の蓋を開け、
「聖、聖」
名前を呼びながら軽く頬を叩く。
「う……うう」
うっすらと目を開け反応を示したのを確認すると、聖にも見えるように目の前に聖水の瓶をかざした。
「これを飲むんだよ!」
「……?」
「とにかく口を大きく開ける!」
顎に手をかけて、口を開けるのを手伝った。