ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「んがっ……」
大きく開いた聖の口の中に向かって、聖水の瓶を逆さにする。思いきり振った。透明な滴が何滴も落ちていく。気が済むまで口の中に落とし込んでから、口を閉じさせるため、顎を戻した。
「吐き出すんじゃないよっゾンビになんかなったら絶対、許さないんだから……ゾンビになんかなったら袋だたきにしてやるからっ」
早口でまくし立てる明美の心配そうな顔を見つめながら、聖は眠るように気を失った。
「きっと大丈夫だから……皆を助けられなくてごめん、ね……」
聖の様子を見届けると、ひとみはそのまま崩れるように倒れた。
「ひとみっ」
聖の頭をそっと下ろし、不安に駆られた明美は意識のないひとみを抱き起こした。
「ひとみ……」
「しばらく様子を見るしかなさそうだな。まだ油断できる状態じゃない」
立ち上がった和己の顔が苦痛に歪む。壁に当たったときの衝撃のせいだ。
「大丈夫? 和己まで動けなくなったら、私……」
「そんな顔するな。大丈夫だ」
不安げな眼差しでこちらを見る明美のそばまで歩み寄ると、その華奢な肩をそっと抱き寄せた。
操られていた斎神父、危うくゾンビにされるところだった聖、悪の化身を体の中に眠らせたままのひとみ。無事だった和己と明美でさえ、無傷ではなかった。
皆、身も心もボロボロだった―――。
大きく開いた聖の口の中に向かって、聖水の瓶を逆さにする。思いきり振った。透明な滴が何滴も落ちていく。気が済むまで口の中に落とし込んでから、口を閉じさせるため、顎を戻した。
「吐き出すんじゃないよっゾンビになんかなったら絶対、許さないんだから……ゾンビになんかなったら袋だたきにしてやるからっ」
早口でまくし立てる明美の心配そうな顔を見つめながら、聖は眠るように気を失った。
「きっと大丈夫だから……皆を助けられなくてごめん、ね……」
聖の様子を見届けると、ひとみはそのまま崩れるように倒れた。
「ひとみっ」
聖の頭をそっと下ろし、不安に駆られた明美は意識のないひとみを抱き起こした。
「ひとみ……」
「しばらく様子を見るしかなさそうだな。まだ油断できる状態じゃない」
立ち上がった和己の顔が苦痛に歪む。壁に当たったときの衝撃のせいだ。
「大丈夫? 和己まで動けなくなったら、私……」
「そんな顔するな。大丈夫だ」
不安げな眼差しでこちらを見る明美のそばまで歩み寄ると、その華奢な肩をそっと抱き寄せた。
操られていた斎神父、危うくゾンビにされるところだった聖、悪の化身を体の中に眠らせたままのひとみ。無事だった和己と明美でさえ、無傷ではなかった。
皆、身も心もボロボロだった―――。