ゾンビバスター~4人の戦士たち~
抱えているもの
家庭の中に父親という存在がいないのを、いつの間にか自然に受け入れていた。
母子家庭という環境の中で、俺を学校へ行かせるために体を崩しながらも、働き続けた母。
少しでも生活資金の一部になればと、中学生の俺は新聞配達のバイトを始めた。
生きていくためだと思えば、睡眠時間が削られようが頑張れた。
それが―ある日突然、母は倒れそのまま天へと召された。
あっけない最後。
母の葬儀で、俺の前に高そうな服を身にまとった一人の男が現われた。
そいつは、俺を見るとまず最初にこういった。
「あの女の息子の割には器量がいい。私に似たんだな」
信じたくなかった。
突然現われた男が、俺を自分の息子だという。
「一度だけ遊びで寝た女だった。まさかその一度で、妊娠してしまうとは思わなかったが……あいつは、お前の存在を私に教えなかったのだな」
一度だけ遊びで――?
そんな愛のない交わりで俺は生まれたのか――?
ショックで頭の中が真っ白になる。
「お前は成績優秀、運動も得意だと聞いた。まさに私の息子に相応しい」
お前の息子?
そんなふうに俺を呼ぶな! 俺の親は母さん一人だ‼
「私の元へ来い。お前を私の息子として向かえてやろう」
断る!
俺はお前の元へなんか行かない‼
これからは俺一人で生きていく。
「さぁ、来るんだ。和己」
俺は行かない!
離せ……‼
母子家庭という環境の中で、俺を学校へ行かせるために体を崩しながらも、働き続けた母。
少しでも生活資金の一部になればと、中学生の俺は新聞配達のバイトを始めた。
生きていくためだと思えば、睡眠時間が削られようが頑張れた。
それが―ある日突然、母は倒れそのまま天へと召された。
あっけない最後。
母の葬儀で、俺の前に高そうな服を身にまとった一人の男が現われた。
そいつは、俺を見るとまず最初にこういった。
「あの女の息子の割には器量がいい。私に似たんだな」
信じたくなかった。
突然現われた男が、俺を自分の息子だという。
「一度だけ遊びで寝た女だった。まさかその一度で、妊娠してしまうとは思わなかったが……あいつは、お前の存在を私に教えなかったのだな」
一度だけ遊びで――?
そんな愛のない交わりで俺は生まれたのか――?
ショックで頭の中が真っ白になる。
「お前は成績優秀、運動も得意だと聞いた。まさに私の息子に相応しい」
お前の息子?
そんなふうに俺を呼ぶな! 俺の親は母さん一人だ‼
「私の元へ来い。お前を私の息子として向かえてやろう」
断る!
俺はお前の元へなんか行かない‼
これからは俺一人で生きていく。
「さぁ、来るんだ。和己」
俺は行かない!
離せ……‼