ゾンビバスター~4人の戦士たち~
早朝。
簡単な食事を取った明美たちは、墓地の集まる山の麓まで来ていた。頂上には、小さな教会と墓地があるはずだった。
シンと静まり返った朝独特の空気。天気もどことなくどんよりした曇り空で、目の前に広がっているはずの山は、霧が立ち込めていて視界不良のため、ほとんど見えない状態。
これから登るはずの山は、往復しても4時間ほどのたいした高さもないはずなのに、上を見上げても濃い霧のせいで山の頂上がどこにあるのか、わからない。
この白い霧の先、なにがあるのか全くといっていいほど分からない。歩いてる先に急に崖が現われても、おかしくないほどの濃い霧。
「この山登るの?」
うんざりといった顔で、明美がぼやく。
普段なら朝の訪れを喜ぶ鳥たちの歌声も、今は聞こえない。
普通では考えられないほどの霧。1メートル先も見えないほどだ。そして異常なほどの静けさ。
「神秘的……というより、幽霊とかでそうでちょっと怖い雰囲気ね」
すでに明美の後ろにべったりくっついたひとみが、何も見えない恐怖におびえている。
4人が顔を見合わせた。
この霧がもし、何者かによる仕業だとしたら――?
だとしたら、いつまで経っても霧は晴れないだろう。
どちらにせよ、いつまでもここで立ち止まっているわけにもいかなかった。
「行こう」
頷きあって、歩き始める。
手探り状態で山道を見つけ、4人は進んでいく。
並ぶように和己と聖が前を歩き、その二人の後ろを明美とその腕にしがみつくように、ひとみがついていく。
体に絡み付いてくるような白い霧。
話しすらもしてはいけないような雰囲気に、息を殺すようにして進んでいく。時折踏みつける、枯れ枝の乾いた音だけがあたりに響いた。
今や霧の中を進む4人の上空も、晴れているのか曇っているのかさえも分からない。
どこをどう進んでいるのかさえもわからない状態で、山道の脇の教会へと続く看板の矢印だけが頼りだった。
もし、こんな状態でゾンビに出会ってしまったら?
不吉な予感をずっと拭えずにいる4人の足取りは、自然と重くなる。
簡単な食事を取った明美たちは、墓地の集まる山の麓まで来ていた。頂上には、小さな教会と墓地があるはずだった。
シンと静まり返った朝独特の空気。天気もどことなくどんよりした曇り空で、目の前に広がっているはずの山は、霧が立ち込めていて視界不良のため、ほとんど見えない状態。
これから登るはずの山は、往復しても4時間ほどのたいした高さもないはずなのに、上を見上げても濃い霧のせいで山の頂上がどこにあるのか、わからない。
この白い霧の先、なにがあるのか全くといっていいほど分からない。歩いてる先に急に崖が現われても、おかしくないほどの濃い霧。
「この山登るの?」
うんざりといった顔で、明美がぼやく。
普段なら朝の訪れを喜ぶ鳥たちの歌声も、今は聞こえない。
普通では考えられないほどの霧。1メートル先も見えないほどだ。そして異常なほどの静けさ。
「神秘的……というより、幽霊とかでそうでちょっと怖い雰囲気ね」
すでに明美の後ろにべったりくっついたひとみが、何も見えない恐怖におびえている。
4人が顔を見合わせた。
この霧がもし、何者かによる仕業だとしたら――?
だとしたら、いつまで経っても霧は晴れないだろう。
どちらにせよ、いつまでもここで立ち止まっているわけにもいかなかった。
「行こう」
頷きあって、歩き始める。
手探り状態で山道を見つけ、4人は進んでいく。
並ぶように和己と聖が前を歩き、その二人の後ろを明美とその腕にしがみつくように、ひとみがついていく。
体に絡み付いてくるような白い霧。
話しすらもしてはいけないような雰囲気に、息を殺すようにして進んでいく。時折踏みつける、枯れ枝の乾いた音だけがあたりに響いた。
今や霧の中を進む4人の上空も、晴れているのか曇っているのかさえも分からない。
どこをどう進んでいるのかさえもわからない状態で、山道の脇の教会へと続く看板の矢印だけが頼りだった。
もし、こんな状態でゾンビに出会ってしまったら?
不吉な予感をずっと拭えずにいる4人の足取りは、自然と重くなる。