ゾンビバスター~4人の戦士たち~
そして30分も歩かないうちに。
「………‼」
誰もが気付いた異変に、それぞれがあたりを見回す。
鼻を突く腐敗臭。
確かにゾンビが近くにいる。
離れないほうがいい。頷きあった4人が背中を向け合うように集まった。
「………」
なぜかあたりは静かなのに、ゾンビの気配、いやな腐敗臭だけはあたりに漂っている。
どこにいる? どこから現われる!?
明美と聖はすでに腰から剣を抜いている。和己は静かにゾンビの気配を探し、ひとみは祈るように両手を合わせていた。
ふと、山道脇の落ち葉の塊が僅かに動いたような気がした。
「きゃぁぁぁぁ‼」
ひとみの声が山中に響き渡る。
枯れ葉や落ち葉の塊の中に隠れていたゾンビたちが、体に付いた枯れ葉を飛び散らせながら、飛び出してきたのだ。
「明美!」
「分かってる!」
聖の声に、明美は素早く反応してひとみと和己を守るように、迫りくるゾンビに切りかかっていく。
数が多すぎる。
しかし、迷ってはいられなかった。
近づいてくるゾンビを次々と倒していった。後ろを振り返る余裕もなく、襲い掛かってくるゾンビに集中していた明美の側にいるはずの仲間の姿が、いつの間にか見当たらず、孤立するような形になっていた。
「聖!」
ゾンビに向かいながら、叫ぶように呼ぶ。
「明美! どこだ!?」
声は聞こえるのに、その声がどこから聞こえてくるのかも分からない。そうしている間にもゾンビからの攻撃は休むことなく続いていた。
「明美ちゃん‼」
叫ぶようなひとみの声が聞こえてきた。
分からない。どこ!?
焦る分、攻撃にも隙が出来てしまったことに明美は気付かない。
「……ッ!」
ゾンビの無造作に突き出された手が、頬を掠める。
だめだ。攻撃に集中できない。
剣の柄を握る手にも汗が滲む。
離ればなれになってしまった4人に、上空から冷たい雨まで降り出してきた。
降り注ぐ冷たい雨。止まることはないゾンビたちの攻撃。離れてしまった仲間。
次第に明美の心を、絶望という闇が占めていく。
「………‼」
誰もが気付いた異変に、それぞれがあたりを見回す。
鼻を突く腐敗臭。
確かにゾンビが近くにいる。
離れないほうがいい。頷きあった4人が背中を向け合うように集まった。
「………」
なぜかあたりは静かなのに、ゾンビの気配、いやな腐敗臭だけはあたりに漂っている。
どこにいる? どこから現われる!?
明美と聖はすでに腰から剣を抜いている。和己は静かにゾンビの気配を探し、ひとみは祈るように両手を合わせていた。
ふと、山道脇の落ち葉の塊が僅かに動いたような気がした。
「きゃぁぁぁぁ‼」
ひとみの声が山中に響き渡る。
枯れ葉や落ち葉の塊の中に隠れていたゾンビたちが、体に付いた枯れ葉を飛び散らせながら、飛び出してきたのだ。
「明美!」
「分かってる!」
聖の声に、明美は素早く反応してひとみと和己を守るように、迫りくるゾンビに切りかかっていく。
数が多すぎる。
しかし、迷ってはいられなかった。
近づいてくるゾンビを次々と倒していった。後ろを振り返る余裕もなく、襲い掛かってくるゾンビに集中していた明美の側にいるはずの仲間の姿が、いつの間にか見当たらず、孤立するような形になっていた。
「聖!」
ゾンビに向かいながら、叫ぶように呼ぶ。
「明美! どこだ!?」
声は聞こえるのに、その声がどこから聞こえてくるのかも分からない。そうしている間にもゾンビからの攻撃は休むことなく続いていた。
「明美ちゃん‼」
叫ぶようなひとみの声が聞こえてきた。
分からない。どこ!?
焦る分、攻撃にも隙が出来てしまったことに明美は気付かない。
「……ッ!」
ゾンビの無造作に突き出された手が、頬を掠める。
だめだ。攻撃に集中できない。
剣の柄を握る手にも汗が滲む。
離ればなれになってしまった4人に、上空から冷たい雨まで降り出してきた。
降り注ぐ冷たい雨。止まることはないゾンビたちの攻撃。離れてしまった仲間。
次第に明美の心を、絶望という闇が占めていく。