ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「頑張るっても閃かなくちゃ使えないんだから、あんま期待できそうだけど……それにしてもさっきは珍しく熱い聖ちゃんだったね?」
二人で廊下を歩きながら、らしくないじゃん? と明美が茶化すように肩をどつく。
「カッコ悪いけど……」
「ん?」
足を止める聖に、少し先を歩いた明美が気付いて振り返る。
「全力出しても体力に限界があるから。いざとなったら俺の力だけじゃ、お前を守ってやれないから」
胸が高鳴る。
真剣で真っすぐな強い視線。
まるで射抜かれたように動けなかった。
今までで一番、聖を意識した瞬間だった。
「明美ちゃん……?」
夜。
ひとみが寝ているとなりに、いつものように静かに布団を敷いていたとき、彼女が目を覚ました。か細いけれど、久しぶりのひとみの声に、嬉しくて明美は布団を敷く手を途中で止め、ひとみに駆け寄る。
「明美ちゃん、今……?」
「いま夜だよ。私もそろそろ寝ようかと思ってたとこ。調子はどう?」
となりの部屋の男子達には聞こえないように、小声で話し掛ける。
「少し目が回る、かな……」
起きずに寝たまま話し掛けてくるぐらいだ。やはりまだ辛いのだろう。
「明美ちゃん……」
「ん? なに」
「皆、元気……?」
「うん、元気だよ。聖も相変わらず、1年中お祭り状態」
安心させるようにいう。
寝てばかりいるひとみは食事を取らない分、やせた。ちょっと前までほんのりピンクだった頬も、色を失い、血の気のない白さになってしまった。
「斎さんは……?」
「斎神父? 生きてるよ。あいつよくわかんないんだよね。閃かなくちゃ技が使えないとかいって、ゾンビに追い掛けられたりしてさ。大人のくせに情けない奴だよ」
「そう……」
「まぁひとみのこと心配してくれるし、いい奴なんだろうけど」
最初に斎を見たときは、見知らぬ男の登場に驚いていたひとみも、診察をしてもらったりして、今ではすっかり打ち解けているようだった。
「………」
「それよりもひとみ、あんたに早く元気になってほしいよ。和己や、聖だってそう思ってる」
「うん……私、頑張る」
布団の中で小さく、だがしっかりと頷いた。
二人で廊下を歩きながら、らしくないじゃん? と明美が茶化すように肩をどつく。
「カッコ悪いけど……」
「ん?」
足を止める聖に、少し先を歩いた明美が気付いて振り返る。
「全力出しても体力に限界があるから。いざとなったら俺の力だけじゃ、お前を守ってやれないから」
胸が高鳴る。
真剣で真っすぐな強い視線。
まるで射抜かれたように動けなかった。
今までで一番、聖を意識した瞬間だった。
「明美ちゃん……?」
夜。
ひとみが寝ているとなりに、いつものように静かに布団を敷いていたとき、彼女が目を覚ました。か細いけれど、久しぶりのひとみの声に、嬉しくて明美は布団を敷く手を途中で止め、ひとみに駆け寄る。
「明美ちゃん、今……?」
「いま夜だよ。私もそろそろ寝ようかと思ってたとこ。調子はどう?」
となりの部屋の男子達には聞こえないように、小声で話し掛ける。
「少し目が回る、かな……」
起きずに寝たまま話し掛けてくるぐらいだ。やはりまだ辛いのだろう。
「明美ちゃん……」
「ん? なに」
「皆、元気……?」
「うん、元気だよ。聖も相変わらず、1年中お祭り状態」
安心させるようにいう。
寝てばかりいるひとみは食事を取らない分、やせた。ちょっと前までほんのりピンクだった頬も、色を失い、血の気のない白さになってしまった。
「斎さんは……?」
「斎神父? 生きてるよ。あいつよくわかんないんだよね。閃かなくちゃ技が使えないとかいって、ゾンビに追い掛けられたりしてさ。大人のくせに情けない奴だよ」
「そう……」
「まぁひとみのこと心配してくれるし、いい奴なんだろうけど」
最初に斎を見たときは、見知らぬ男の登場に驚いていたひとみも、診察をしてもらったりして、今ではすっかり打ち解けているようだった。
「………」
「それよりもひとみ、あんたに早く元気になってほしいよ。和己や、聖だってそう思ってる」
「うん……私、頑張る」
布団の中で小さく、だがしっかりと頷いた。