ゾンビバスター~4人の戦士たち~
 朝、起きると調子がいいのか、ひとみも目を覚ましていた。

「おはよ! 今日は起きれそう?」

「おはよう。ん……いくらか気分はいいんだけれど、まだ目眩がするわ」

 力無く笑って見せる。

「ご飯は? 起きれるなら少しぐらい食べない?」

「うん……少しなら食べれるかも」

「そっか! じゃあ消化のいいものでも買ってくるよ」

 そうと決まったら早く買い物へ行こう。
 さっさと着替えを済ませた。

「待ってて」

「明美ちゃん」

 出ていこうとする明美が呼び止められる。

「ん?」

「斎さんは……?」

「和己たちと一緒にいるはずだけど? 呼んでほしいの?」

「……うん」

「わかった。じゃ行きがけに声かけとくよ」

 斎のことやたら気にかけてるなぁ。
 逆に斎のことを面白くないと思ってるのも、約一名いるけどね。

「おはよ!」

 男子部屋に声をかけると、それぞれ挨拶をしてくる。

「はよっス!」

 朝から元気な聖が布団の上であぐらをかきながら、片手を上げてにかっと笑う。

「……うす」

 じつは低血圧でまだ眠たそうな和己。いちよう起きてはいるものの、気を抜くと今にも頭をカクンとさせて眠ってしまいそうだ。

「おはようございます。明美さん」

 朝からヘタレ笑顔の斎神父は、布団を畳んでいるところだった。

「ひとみが食べれそうなもの買いに行こうと思うんだけど、付いてくる人――」

 いる? って聞くまでもなく、聖が素早く反応を示した。

「はいはいはーい! 俺行く!」

 片腕をぴしっと伸ばしピースしてきた。朝からこんなにもハイテンションなのは少し羨ましいかも。
 だけど起きたばかりらしい聖は寝巻姿で、布団も敷いたままだった。

「……5分で仕度して」

「ラジャ!」

 兵隊のように揃えた指を額に当てて返事をすると、物凄い早さで布団を片付け始めた。
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