ゾンビバスター~4人の戦士たち~
策にハマった悔しさから唇を噛み締めた明美が、ゾンビたちに囲まれる。それを見た斎は、胸にかけたイエス・キリストの十字架を手にする。
そっと握りしめた十字架を天に掲げ、祈り始める。
神を信じる者に安らぎと癒しを――
悪しき心には神の裁きを――
「さ迷いし魂を導きたまえ……ハッ!」
気合と共に、斎の体から眩しいほどの光りが放たれる。
明美がもうだめだと観念したその時、斎の力は発動し、明美を取り囲むようにしていたゾンビたちは、一瞬にして消し飛んだ。
頭を抱えるようにしてうずくまっていた明美は、いつまで経っても一向に攻撃を受けないことに違和感を感じて顔を上げる。
「あれ……?」
周りを見渡しても、さっきまで自分を取り囲んでいたゾンビの姿はどこにもない。
あるのは人がよさそうな顔で、笑いながらこちらを見ている斎の姿だけ。
「どういうことよ?」
「やー久しぶりに力が発動しました! 閃いたんですよっなんか今日は出るような気がしたんですよね~あはは」
頭をかきながら、未だ唖然としている明美に歩み寄る。
「土が。美しい顔が台なしですよ」
片膝を着いて屈み込むと、明美の顔についた土をそっと拭う。
「!」
頬に触れた斎の手を、反射的に振り払った。
「そんなことしてくれなくていい。後でシャワー浴びるから」
立ち上がり、服についた土ぼこりを払い、斎を見た。
「助けてくれてありがとう。でも調子に乗るなっ」
その得意げな鼻先に、ピシャリと指を突き付けてやった。指を突き付けられたほうの斎はのけ反る。
そっと握りしめた十字架を天に掲げ、祈り始める。
神を信じる者に安らぎと癒しを――
悪しき心には神の裁きを――
「さ迷いし魂を導きたまえ……ハッ!」
気合と共に、斎の体から眩しいほどの光りが放たれる。
明美がもうだめだと観念したその時、斎の力は発動し、明美を取り囲むようにしていたゾンビたちは、一瞬にして消し飛んだ。
頭を抱えるようにしてうずくまっていた明美は、いつまで経っても一向に攻撃を受けないことに違和感を感じて顔を上げる。
「あれ……?」
周りを見渡しても、さっきまで自分を取り囲んでいたゾンビの姿はどこにもない。
あるのは人がよさそうな顔で、笑いながらこちらを見ている斎の姿だけ。
「どういうことよ?」
「やー久しぶりに力が発動しました! 閃いたんですよっなんか今日は出るような気がしたんですよね~あはは」
頭をかきながら、未だ唖然としている明美に歩み寄る。
「土が。美しい顔が台なしですよ」
片膝を着いて屈み込むと、明美の顔についた土をそっと拭う。
「!」
頬に触れた斎の手を、反射的に振り払った。
「そんなことしてくれなくていい。後でシャワー浴びるから」
立ち上がり、服についた土ぼこりを払い、斎を見た。
「助けてくれてありがとう。でも調子に乗るなっ」
その得意げな鼻先に、ピシャリと指を突き付けてやった。指を突き付けられたほうの斎はのけ反る。