ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「初雪だね」
「ああ。そうだな」
未だ嬉しそうに空を見上げている明美に頷く。
「寒いのは嫌いだけど、小さい頃から雪は好きなんだ。積もるかな?」
空ばかり見ていた明美は、後ろまで和己がきていることに気付かない。
「……積もるといいな」
耳元に和己の声を感じて振り返ろうとした明美は、身動きを取ることができなくなった。肩にそっと回された両手。背中に感じる和己の体温。
「かず、み…?」
ただ。
ただびっくりして、抵抗もできない。
「あの、あのさ……何してんの……?」
ドキドキしながら、後ろから自分を抱きしめている和己に問い掛ける。
「寒い」
「は?」
「雪が降るほど寒い」
「や、それはわかってるんだけど」
「こうしていれば寒くない」
「………」
私で暖を取ってたんかい!
突っ込みたい気持ちをぐっと堪える。おかげでドキドキした気持ちも一瞬にして吹き飛んだ。
そうだよ。この唐変木ぶり、まったくもって和己らしい。
最近の和己はイライラしてばかりいてどこか近付き難い雰囲気があっただけに、彼らしい態度に不思議と安堵を感じていた。
「気に入らない」
耳元にぼそっと聞こえる。やわらかな和己の髪が、耳にかかって少しだけくすぐったい。
「なにが……?」
「斎」
「ああ。そうだな」
未だ嬉しそうに空を見上げている明美に頷く。
「寒いのは嫌いだけど、小さい頃から雪は好きなんだ。積もるかな?」
空ばかり見ていた明美は、後ろまで和己がきていることに気付かない。
「……積もるといいな」
耳元に和己の声を感じて振り返ろうとした明美は、身動きを取ることができなくなった。肩にそっと回された両手。背中に感じる和己の体温。
「かず、み…?」
ただ。
ただびっくりして、抵抗もできない。
「あの、あのさ……何してんの……?」
ドキドキしながら、後ろから自分を抱きしめている和己に問い掛ける。
「寒い」
「は?」
「雪が降るほど寒い」
「や、それはわかってるんだけど」
「こうしていれば寒くない」
「………」
私で暖を取ってたんかい!
突っ込みたい気持ちをぐっと堪える。おかげでドキドキした気持ちも一瞬にして吹き飛んだ。
そうだよ。この唐変木ぶり、まったくもって和己らしい。
最近の和己はイライラしてばかりいてどこか近付き難い雰囲気があっただけに、彼らしい態度に不思議と安堵を感じていた。
「気に入らない」
耳元にぼそっと聞こえる。やわらかな和己の髪が、耳にかかって少しだけくすぐったい。
「なにが……?」
「斎」