ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「かず、み……せ、い……!」
助けて‼
「明美!」
その声と共に、頭上に迫る人影に気付いたのは、少年のほうだった。首を絞められ意識を朦朧とさせていた明美が、突き飛ばされるようにして解放される。ふらふらと力の入らない体で地面に座り込む明美の瞳に、和己の槍を素手で受け止めている少年の姿が目に入った。
「大丈夫か!」
解放された喉に手をやりながら振り向くと、聖が背中を支えてくれている。その表情は明美を気遣い、硬く厳しいものになっていた。
異変に気付いた二人が、素早く二階の窓から飛び降りて、助けてくれたようだ。
私は大丈夫。
声がでない今、頷いて無事だということを伝える。
「待ってろ。アイツ、絶対倒してやる……!」
聖も頷き返すと剣の柄を強く握り締め、戦っている和己の元に向かった。
喉が痛い。熱い。吸いたくても吸えなかった新鮮な空気を肺に取り込むと、苦しいほどにむせた。咳込みながら涙の滲む瞳で戦闘中の和己たちを見る。
和己の槍を両手で受け止めていた少年が、スッと後方に下がり、槍の攻撃から逃れると不適な笑みを浮かべた。武器を手に身構える和己たちを見ながら、両手を振るようにして手のひらを返す。すると血のような赤い、毒々しい色をした刀が左右の手に一刀づつ現れた。
双剣の使い手……!?
「邪魔しないでくれるかな? ぼくはあのおねえちゃんを殺せと頼まれただけなんだけど」
身軽にクルリとその場で宙返りしてみせると、吐き出した邪悪な言葉と裏腹に、微笑む。
「冗談じゃねぇ! 明美の命を狙う奴は例えゾンビじゃなくても許さねぇ‼」
聖が怒りに吠え、飛び掛かる。同時に和己も切りかかった。
「……っ!」
くそっなんて力だ……!
二人から同時に攻撃を受けた少年は、右の刀で聖の攻撃を受け、左では和己の槍を受け止めている。小さな体で自分ほどもある刀を自在に操り、片腕で男たちの攻撃を受けているのだ。その様子には余裕さえ窺え、ただならぬその雰囲気から、今まで相手にしてきたどの敵より強いことを示していた。
キィン!
高い音が響き渡る。少年が剣と槍を軽々と弾き返したのだ。
助けて‼
「明美!」
その声と共に、頭上に迫る人影に気付いたのは、少年のほうだった。首を絞められ意識を朦朧とさせていた明美が、突き飛ばされるようにして解放される。ふらふらと力の入らない体で地面に座り込む明美の瞳に、和己の槍を素手で受け止めている少年の姿が目に入った。
「大丈夫か!」
解放された喉に手をやりながら振り向くと、聖が背中を支えてくれている。その表情は明美を気遣い、硬く厳しいものになっていた。
異変に気付いた二人が、素早く二階の窓から飛び降りて、助けてくれたようだ。
私は大丈夫。
声がでない今、頷いて無事だということを伝える。
「待ってろ。アイツ、絶対倒してやる……!」
聖も頷き返すと剣の柄を強く握り締め、戦っている和己の元に向かった。
喉が痛い。熱い。吸いたくても吸えなかった新鮮な空気を肺に取り込むと、苦しいほどにむせた。咳込みながら涙の滲む瞳で戦闘中の和己たちを見る。
和己の槍を両手で受け止めていた少年が、スッと後方に下がり、槍の攻撃から逃れると不適な笑みを浮かべた。武器を手に身構える和己たちを見ながら、両手を振るようにして手のひらを返す。すると血のような赤い、毒々しい色をした刀が左右の手に一刀づつ現れた。
双剣の使い手……!?
「邪魔しないでくれるかな? ぼくはあのおねえちゃんを殺せと頼まれただけなんだけど」
身軽にクルリとその場で宙返りしてみせると、吐き出した邪悪な言葉と裏腹に、微笑む。
「冗談じゃねぇ! 明美の命を狙う奴は例えゾンビじゃなくても許さねぇ‼」
聖が怒りに吠え、飛び掛かる。同時に和己も切りかかった。
「……っ!」
くそっなんて力だ……!
二人から同時に攻撃を受けた少年は、右の刀で聖の攻撃を受け、左では和己の槍を受け止めている。小さな体で自分ほどもある刀を自在に操り、片腕で男たちの攻撃を受けているのだ。その様子には余裕さえ窺え、ただならぬその雰囲気から、今まで相手にしてきたどの敵より強いことを示していた。
キィン!
高い音が響き渡る。少年が剣と槍を軽々と弾き返したのだ。