イジワル上司と秘密恋愛

——春澤志乃を、“女”にしてやるのは、この俺だ。

背筋がゾクゾクするほどの高揚感が駆け上る。

うっすらと瞳を開いて俺を見つめた志乃の不安そうな表情がたまらなく愛しく映り、俺の中の葛藤は決着がついた。

「志乃、愛してる」

じっと瞳を見つめ返し指先で髪を梳いてやれば、志乃はどこか安心したように僅かに笑みを浮かべる。

「後悔なんかしないように、いっぱい愛してやるから。だから」

細くて柔らかい身体を抱きしめ、耳元で囁きながら愛撫を落とすと、志乃の手が俺の背をおずおずと抱きしめ返した。

「だから……お前の初めて、もらうな」


優しくキスを重ねながら俺は心の隅で——志乃の“最初”で“最後”の男になるのも、悪くないかもしれないな。——なんて、先走ったことを思っていた。
 
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