イジワル上司と秘密恋愛
優しくしてやりたかったけど、志乃の身体は思ってた以上に官能的で、自分の欲をセーブするのはだいぶ難しかった。
痛そうにしかめられる表情さえも、いつもの明るい彼女とのギャップのせいか、やけに扇情的に見える。
八つも年下のまだどこか幼ささえ残る顔立ち。それが苦痛の表情の合間にときどき快楽に綻ぶのを見ると、自分の中の欲が加速するのを感じた。
「志乃……、志乃……っ」
「ん、ん……っ、綾部さ……ぁ、ん」
貪るようにキスをし、止められない激情に突き動かされて、俺は夢中で彼女を抱いた。
——まだ始まったばかりの恋に幸せを感じ、志乃を愛おしく想いながら眠りについた後、俺の目を覚まさせたのは、彼女のすすり泣く声だった。
瞼を開き隣を見やると、上半身を起こした志乃が細い肩を揺らしながら泣いている。
目覚めきらない頭で咄嗟に浮かんだのは、処女相手に二度も欲を放ってしまった自分の貪欲な行為。
「……どうした……?まだ痛むか……?」
「……綾部さん……」
頼りない声で俺の名を口にしながらこちらを向いた志乃の無防備な泣き顔を見たとき、罪悪感とたまらない愛しさが込み上げた。