イジワル上司と秘密恋愛
——本当に今日は、来て良かったと思う。
「綾部さん……もっと」
普段からは想像もできないほどストレートにおねだりをする志乃に、何度抱いても昂ぶる熱が消えない。
「可愛いよ、志乃。愛してる」
その熱をぶつければ彼女もまた貪欲なほど俺を求める口付けで返してくる。お互いがお互いを求め合ってやまない。
静かな山奥の夜は更け、俺は彼女の体力が尽きるまで抱き続けた。
——この日の志乃は何度も甘い声で俺の名を呼んで、何度も自分から俺を求めてくれて、そこに確かに彼女の想いを感じた。
どんなに『大嫌い』を紡ごうと、志乃はやっぱり俺の愛を渇望していると。
だから、静かな寝息をたてる彼女の頬に髪にキスを落としながら、願うように小声で呟く。
「……好きだよ、志乃。これからもずっとずっと愛してる」
何度『大嫌い』と意地を張られてもいい。彼女の本当の想いが、きちんと俺に向いていれば。
今夜はそのことに満足を得て、愛しい身体を抱き寄せながらゆっくりと瞼を閉じた。