イジワル上司と秘密恋愛
7・不穏な手
【7・不穏な手】
綾部さんに声をかけられて浮かれていた私だけど、帰宅してお風呂に入っていると、なんだか複雑な想いがこんがらがってしまった。
彼を好きだと再認識したところで、もうやりなおせないと分かっているから。
せっかく仕事に夢中になれたおかげで、このまま恋心を忘れられるかもと思ったところだったのに。またふりだしに戻ってしまった気がする。
もうやりなおせない。けど、忘れようとしたタイミングで声をかけられてあきらめきれなくされてしまった。
「……やっぱり綾部さんてばイジワル……」
ぬるい湯船に浸かりながら私はもてあました恋心を、綾部さんに八つ当たりした。
そんなことがあってから数日が経った、ある日の職場でのこと。
「あれ?」
トイレから戻ってきた私はデスクの上に置いておいたスマホがないことに気がついた。
近くの席の人に聞いてみても知らないと言われ、机の中やカバンの中も探してみたけど見つからない。
綾部さんに声をかけられて浮かれていた私だけど、帰宅してお風呂に入っていると、なんだか複雑な想いがこんがらがってしまった。
彼を好きだと再認識したところで、もうやりなおせないと分かっているから。
せっかく仕事に夢中になれたおかげで、このまま恋心を忘れられるかもと思ったところだったのに。またふりだしに戻ってしまった気がする。
もうやりなおせない。けど、忘れようとしたタイミングで声をかけられてあきらめきれなくされてしまった。
「……やっぱり綾部さんてばイジワル……」
ぬるい湯船に浸かりながら私はもてあました恋心を、綾部さんに八つ当たりした。
そんなことがあってから数日が経った、ある日の職場でのこと。
「あれ?」
トイレから戻ってきた私はデスクの上に置いておいたスマホがないことに気がついた。
近くの席の人に聞いてみても知らないと言われ、机の中やカバンの中も探してみたけど見つからない。