イジワル上司と秘密恋愛

『帰ったのか?』 『心配だから一応連絡して欲しい』

二十分前に来ていたラインの通知。どうやら私がホテルを出てすぐに送られて来ていたらしい。

見てしまった以上、既読が付いてしまったので知らん振りするのも憚られる。迂闊に開いてしまった事を少し後悔しながら、私は

『黙って帰ってしまってすみません』 『家に向かってる途中なので心配しないで下さい』

と、最低限の情報と謝罪だけを返信した。

それから電車は地下トンネルに入り、十分後再び駅に上がったとき。

『無事なら良かった』 『またあとで会社で』

そんな通知が二件、私の端末に届いていた。

 
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