制服汚しちゃいました
第 1 章
やってしまった…
パンッパンッパンッ
日直の仕事で、黒板消しについたチョークの粉をとるため、黒板消しをベランダで叩いていた。
「けほっ…けほっ…。」
チョークの粉を吸い込んでしまい、咳き込む。
その拍子に、黒板消しが手から滑り落ち、グラウンドに向かって落下する黒板消し。
「やばっ…!」
黒板消しの落下地点には、人が立っている。
このままいけば、あの人に当たっちゃう!
「危ないっ!」
あたしは叫ぶと同時に、ベランダから教室に戻り廊下に出ると、階段をかけ降りた。
靴箱で靴を履き替えてから、さっき黒板消しが落ちたあたりまで走る。
「ごめんなさいっ!!」
黒板消しが当たったであろう男子生徒に、頭を下げた。
男子生徒は、制服の上着が真っ白になっていた。
「クリーニング代、払います。」
「……別にいい。」
それだけ言って去っていったその人。
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