制服汚しちゃいました
体育祭のときから…?
トイレであいつを助けたとき…?
隣の席だと気づいたとき…?
いや、もしかしたら、黒板消しを落として謝ってきたとき。出会った瞬間かもしれない。
俺は気付かないうちに、好きになっていた。
でも心の中のその感情は、俺によって、心の奥底の箱にしまいこまれていた。
その理由は、“美咲”という、彼女の存在にあったのだろう。
だから、別れを決意したんだ。
あの約束を破ることを決意した…。
「約束…、したじゃん…。
破るの?その約束…。」
「…ごめん。」
「謝らなくていいから、考え直して?
お願い。あたしには悠翔しかいないの。」
「…そんなことない。
美咲は、美咲だったら、俺よりいいヤツ見つけられるよ。」
「悠翔よりいい人なんていないよ。
約束したんだから、ちゃんと守ってよ…。」
ポロポロと涙をこぼす美咲。
でももう、泣いても抱きしめることは許されない。
それが俺の出した答えだ。