制服汚しちゃいました





バンッ



「仲﨑くんっ!」



「……んだよ、朝からうっせぇな。」



屋上に寝転んでいた仲﨑くんが、めんどくさそうに体を起こした。



「あ、ごめんなさい。

制服、返しに来たの。」



「……ん、ああ。」



仲﨑くんは立ち上がって、あたしに歩み寄ってくる。



「はい。」



あたしが制服を差し出すと、



「…さんきゅ。」



そういって、受け取った。


あたしはなんだか嬉しくて、笑顔をむける。

すると、仲﨑くんが困ったような顔で聞いてきた。



「お前は、俺が怖くねぇのか?」



「うん。」



「ふぅん。

名前は?」



「え?」



「お前の名前。」



「伊川(いかわ)藍梨。」




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