制服汚しちゃいました
昼休み。
お昼を食べようと、お弁当を持って、遥香の元へ向かう。
すると、教室を出ようとしていた仲崎くんが、思い出したようにあたしに近づいてきた。
「伊川ー。」
そんな呼びかけだけでもう、すっごく喜んじゃってるあたし。
単純だなぁ。って思う。
「…仲﨑くん?どうしたの?」
「話したいことあるんだけど、帰り、時間ある?」
「…話…?いい話?」
「…んー、さぁ。多分?」
「ふふっ、なにそれ。」
「で、時間は?」
「あるよ。」
「じゃあ、帰りにまた。」
「5、6時限目、サボるつもり?」
「当たり前。
世界史とか古典とか、そんなん知らねぇ。」
仲﨑くんはそういって、手をひらひらとふって、教室を出ていった。
話って、なんだろう?
そればかり気になって、残りの授業は頭に入ってこなかった。