制服汚しちゃいました
「藍梨、戻ってろ。
ちょっとコイツと話したいから。」
「え…?あ、うん。わかった。
早く戻ってね、りゅう。」
ズキッ…。
伊川が別の男の名前を呼ぶだけで、胸が痛む。
ましてや、“早く戻って”なんて。
苦しくなって、息が出来なくなるんじゃないかって思った。
「話って…なんですか?」
「君、名前は?」
「仲﨑悠翔。」
「俺は泉月隆太。
仲﨑…。単刀直入に聞くけど、お前、藍梨のこと好きなんだよな?」
「はい。」
「じゃあ、バスケで勝負しようぜ。」
…は?バスケで…?
でも俺は…。俺は…。
何も言えないでいると、泉月がニヤッと意味深に笑う。
「断るなら、藍梨のこと諦めろ。
そんな覚悟のやつに、藍梨は渡せない。」
諦める…?
そんなの、できるわけない。
「…やります。」
「そうくると思った。
んじゃ、行くぞ。」
「はい。」