制服汚しちゃいました
「…冗談やめて?
仲﨑くんには、彼女がいるじゃん。」
「冗談なんかじゃない。
彼女とは…別れた。」
冗談じゃない?
彼女と別れた?あんな美人な人と?
まさかこれも、冗談?
「…冗談じゃないって。」
「えっ?」
「全部、口に出てたけど?」
「あ。そうだったんだ…。」
「何回も言うけど、冗談じゃない。
俺は、お前が好きなんだよ。伊川。」
「えっ?えっ、好きって…。好き?」
なんであたしなんか…。
好かれるようなことは何もしてないのに。
「あぁ。好き。」
仲﨑くんは壁から背中を離し、あたしの前にしゃがみこむ。
「ははっ、なんで泣いてんの?
さっき泣いたばかりだろ?」
仲﨑くんが、親指で優しく涙を拭ってくれる。
「だって…嬉しくて…。
あたしが好きなのは、仲﨑くんだから。」
あたしがそう言うと、仲﨑くんは驚いた顔をした。
けど、すぐに嬉しそうに笑みを浮かべる。
「悠翔。」
「えっ?」