制服汚しちゃいました
「悠翔って呼んで。」
「……ゆうと。」
あたしが名前を呼ぶと、満足そうに微笑む。そして…。
「藍梨。俺と付き合ってください。」
「…もちろん!」
悠翔は涙を拭っていた手を頬に添えて、顔を近づける。
そっと目を閉じると、唇に柔らかい感触があった。
「よかったねぇ、藍梨。」
りゅうが、下駄箱の影から出てきた。
「りゅう!?
いつからいたの?」
「んー、ほぼ最初から?」
「…恥ずかし…。」
「おい仲﨑。
藍梨、泣かせんなよ。こいつは、人一倍辛い思いしてきたんだ。これ以上、辛い思いさせたくない。」
「…りゅう。」
「当たり前です。
辛い思いなんて、絶対させませんよ。」
「まあ、期待してないけど。
てか藍梨。着替えてこいよ。」
「あ、うん。」
「じゃあ、俺、ここで待ってる。」
「え?いいよ。
悠翔は先帰ってて?」
「待つって言ったら待つ。
ほら、早く行ってこい。」
「…うん。ありがとう。」