制服汚しちゃいました





「うん。
さっ、ほら行くぞ。」



悠翔は、さり気なくあたしの手をとって歩き出す。

あたしは、急なことに顔を真っ赤にしながらも、嬉しくて大人しくついて行った。


学校では、何故かすでに、付き合っているという噂が広まっていた。
誰かがあの現場を目撃したらしい。

てことは、き、き、キスの場面も…!?
…恥ずかしすぎる…。

やっと収まってきた顔が、また火照ってしまう。



「藍梨、顔真っ赤だけど?
もしかして、仲﨑のこと思い出してんの?」



「あ、遥香。
…そんなことない…。」



「またそんなこと言ってー。
ほんとはチューしたときのこととか、思い出してたんじゃないの?」



ニヤニヤしながら聞いてくる遥香。
こういうところで、いちいち図星をついてくる遥香は、ほんとにすごいと思う。
でも、ほんとのことなんて言えるはずもない。



「ま、まさか。
ほんとに違うって!」




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