制服汚しちゃいました





「…なに泣きそうな顔してんだよ。」



「だって…、嫌われたのかな、とか考えちゃって…。」



「なんでそんなこと考えるんだよ。」



「離れろって言うから…。」



「…はぁー。
藍梨ってほんと、鈍感なんだな。」



「…え?どういう意味?」



「好きな女が近くにいたら、手出しそうになんの。
だから離れろって言ったわけ。わかる?」



「…好きな女…。」



その言葉を聞いただけで、涙なんかひっこんで、ニヤけそうになる。

でも…。



「今までの彼女にも、その…手…出したいとか思ったり…?」



「したなぁ。そりゃするよ、男だし。」



「…ですよね。」



「でも…、こんなに我慢できないの…、初めてなんだけど。
だからとりあえず、離れろよ。」



「…やだ。」



「はぁ?俺の話、ちゃんと聞いてたのか?お前。」



「聞いてたよ。
別に手くらい……出されてもいいもん。」



「…なぁ、馬鹿なの?」



「え?」




< 169 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop