制服汚しちゃいました
「んな可愛い顔で言われたら、まじで理性持たないよ?」
「…だから、それでもいいって…。」
「…俺が良くないんだよ。
好きなやつは大切にしたいから。
そんな簡単に手、出せない。」
「…悠翔。
…嬉しいよ。ありがとう。」
あたしはコーヒーを置いて、思わず悠翔に抱きつく。
抱きついてから、自分が大胆なことをしたことに気づいた。
「ちょっ…藍梨?
お前、絶対俺の話聞いてないだろ。」
珍しく悠翔が焦っている。
あたしも自分がしたことに驚いたけど、でも、離れたくはなかった。
「ちょっとだけ。ね?」
「…はぁ。
わかった。ちょっとだけな。」
「うん。」
悠翔は諦めたようにため息をついて、あたしの背中に腕をまわす。
ちょっとだけって言ったのに、その時間は長く続いた。
「藍梨。」
「うん?」
「そろそろ離れようか。」
「…うん。」