制服汚しちゃいました
「俺は基本、1人で行動してるんだ。
人なんて滅多に助けない。
そんな俺が助けたやつ。
しかも、女。
俺の弱みを握ろうってやつが、彼女と誤解して、襲ってくるかもしれない。」
「うそ……?」
「ほんと。
まあ、確率の話だがな。
俺のせいだから、もしなんかあったら助けるし、心配すんなよ。」
「仲﨑くんのせいじゃないよ!
仲﨑くんが助けてくれて、良かったと思ってるよ、あたしは。」
「そっか。
とにかく、気をつけろ。」
「うん。」
「じゃあ、今日は送る。
…ん。」
仲﨑くんは立ち上がって、あたしに手を差し出す。
あたしはその手を取って、立ち上がった。
「ねぇ、訊いてもいい?」
「なに?」
「仲﨑くんは、なんでこんなふうになったの?」
“不良”とかは言えなくて、まわりくどい言い方になってしまう。
「こんなふうにって、こんな悪いやつにってこと?」
「……別に“悪いやつ”ではないと思うけど。
なんでかなって。」