制服汚しちゃいました
……悪いことしちゃったな。
あたしは落ち込んだまま、教室に戻った。
「藍梨(あいり)!」
教室に戻ると、親友の倉本遥香(くらもと はるか)が駆け寄ってきた。
「……遥香ー。」
涙目で、遥香の名を呼ぶ。
「あんたって、ほんとドジだねぇ。
そして運が悪すぎる。
知ってる?
あの黒板消しを当てちゃった人のこと。」
「え?だれ?」
「仲﨑悠翔(なかさき ゆうと)。
このあたりの地域で、一番強いって恐れられてる不良。」
「ええぇぇぇぇ!?うそ!?
でも、金髪じゃなかったし、ピアスもしてなかったよ!?」
「…藍梨、あんた、バカなの?
不良が全員金髪で、ピアスしてるって思ってんの?」
「うん。違うの?」
「違うに決まってるじゃない。」
「へぇ!そうなんだ!」
「納得してる場合じゃないって!
今、自分がどんな状況におかれてるか、わかってるの?」
「まあまあ、そんな慌てなくても大丈夫だって!」