制服汚しちゃいました
【藍梨side】
「それで、その伯父さんは、今は?」
「今も毎月、金送ってくるよ。」
「そっか。いろいろと大変だったんだね。」
「……ぷっ、はははっ。
ほら、やっぱり言ったじゃん、伊川。」
お腹をかかえて笑う仲﨑くん。
少しムッとしたけど、過去のこと話しても、笑っていられるんだって思うと、すごいなって思った。
「…いつまで笑ってるの…?」
なかなか笑いが収まらない様子の仲﨑くん。
そんなに笑われると、なんか恥ずかしくなってくる。
「あー、ごめんごめん。
伊川があまりにも、想像してた反応と同じだったから。」
「…ほんとに思ったこと言っただけだもん。」
「わかってる。
さんきゅーな、伊川。」
「…えっ、別に、お礼言われることしてないよ?」
「今まで誰にも言ったことなかったから、誰かに言えたことで、少し気持ちが軽くなった。」
「そっか。それなら良かった。
あたしも、役に立ったってことだよね?」
「ああ。」
人のために何かが出来るなら、それ以上の幸せはない。
あたしはそう思っている。