制服汚しちゃいました
「ほら伊川、送ってくから靴履き替えろ。」
「え、わざわざいいよ…。」
「お前も俺のために、わざわざ先生からの評価落としただろ。」
「…別に、仲﨑くんのためだけじゃないよ?
あたしのためでもあるのに。」
「いいから、帰るぞ。」
「…はい。」
有無を言わせぬ声で言われて、思わずそう返事した。
「…ねぇ、その助けた人を連れてくるのが、一番手っ取り早いんじゃない?」
並んで歩きながら、あたしは仲﨑くんに尋ねてみる。
「どうやって連れてくるつもりなんだよ?
連絡先とか知らねぇし。」
「探せばいいじゃん!
あたしも手伝うよ!」
「別に、んなことどーでもいい。
お前に迷惑はかけられねぇよ。」
「そんな、迷惑じゃないって…「俺が迷惑なんだよっ!」
「え、…あ、ごめん。」
「あ…こっちこそ悪い。
つい、いつもの出てた…。」
「いや、仲﨑くんは悪くない。
あたしが首突っ込みすぎたんだよね…。」
「気持ちだけもらっとく。
俺はいいから、自分のことだけ考えろ。」
「…うん。」
こんなに人のことを思える人が、むやみに人を殴った?
…そんなこと、絶対にあるわけないよ。