制服汚しちゃいました
【悠翔side】
「あの二人いいよなー。
あの5組の伊川と倉本だっけ?」
「それ、俺も思ってた。
可愛いし、バスケしてる姿もサイコー!!
俺、惚れちゃったよ。」
「おー!どっちどっち?
俺は倉本派かな。」
「俺は断然伊川だな。」
さっきからすれ違う男子生徒は、ほとんどその話をしている。
そんなにすごいのか?あいつら。
なんか意外だな。
…次のバスケの決勝、見に行ってみるか。
決勝が行われる体育館に入ると、すでに満席状態。
仕方ないから、立ってみることにする。
「あっ!仲﨑くーんっ!」
すると、俺に気づいた伊川が手を振ってくるもんだから、みんな俺に注目した。
でも、俺が不良だとわかった瞬間、みんな目をそらす。
「勝つからねっ!最後までみてて!」
そういわれ、軽く頷く。
笑顔でしつこく手を振ってくる伊川に、うざいと思いながらも、嬉しかった。
ホイッスルがなり、挨拶をすると、試合はすぐに始まった。
「…すげ。」