制服汚しちゃいました
バシャバシャッ
水が体にあたる音、
体にかからなかった水が落ちていく音、
濡れた体から、髪から、水が滴る音。
すべてがスローモーションのように聞こえた。
そして頭の中で、なんどもリピートされる。
ファンクラブの人たちは、笑いながらあたしを見ていた。
「いい気味だわ。」
その言葉を聞いて、あたしの怒りがこみあげてくる。
確かに悪いことはしたと思うけど、ここまでされるのは納得いかない!
反論の言葉が、喉まで出たときだった。
「お前ら、うるせぇんだよ。」
「悠翔くん!?」
女子トイレに、このトラブルの原因の仲﨑くんが入ってきた。
「ゆ、悠翔くん、ここ女子トイレだよ!?」
「んなこと知ってるに決まってんだろ。」
「じゃあ、なんで……。」
「俺の気が変わったから。」
その言葉に、みんなが首をかしげる。
仲﨑くんはなぜか、あたしの方へ近寄ってきた。
あたしは、なにかされるのではないか、という恐怖で後ずさる。