制服汚しちゃいました





「…あの人、やっぱり、仲﨑くんの彼女なんだって。」



「そっか。」



食事が終わり、あたしたちはソファに並んで座る。

こういうとき蓮は、自分から聞かずに、あたしから話すのを待ってくれる。
そういうとこ、ほんと尊敬しちゃうな。



「なんだか泣けてきちゃった。
なんでだろうね…?」



理由なんて知っている。



「よかったな、姉ちゃん。」



「…なにが?」



「姉ちゃんって、仲﨑さんのこと、何も知らないだろ?」



「……そういえば、うん。そうだね。」



「だけど今日、一つ知った。
大きな一歩だと思わない?」



「…うん。思う。」



蓮は必ず、いい方向へと導いてくれる。
あたしの大切な唯一の家族。



「な?だろ?
だから、よかったな。おめでとう。」



「うん。ありがと。」



そう言ってから蓮の方を見ると、また涙がこみ上げてくる。



「もう。泣き虫だなぁ、姉ちゃんは。」



蓮は少し困ったように微笑んで、優しく抱きしめてくれる。
そして、背中をポンポンと子供をあやすように一定のリズムで叩いてくれて、それが心地いい。



「ありがとう、蓮。」



「うん。」




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