制服汚しちゃいました





「……洗って持ってきますよ?」



「いいから、返せっていってんだろ。

俺の不注意で汚したんだ。
お前が洗う必要などない。」



…え?

……この人、意外と優しい人なんじゃ…?



「そんなことないですよ。

あたしが悪いんです!
だから、洗って返します!

それに、濡らしちゃったんで。」



あたしがしつこくいうと、
仲﨑くんは、諦めたようにため息をついた。



「……わかった。
そこまでいうなら、頼んだ。

んじゃ。」



そして、去っていった。


そのときにはもう、あたしの心には、仲﨑くんに対する恐怖などなかった。




< 9 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop